大学の独立行政法人(エージェンシー)化を見据え、スポーツを通して地域への責献を目指す「福島大学スポーツユニオン」が先月二十日に設立された。同大教育学部保健体育科の教員や学生が運営し、ライフスタイルに合ったスポーツの提案やイベントによる地域振興の企画など幅広い活動を展開する。本格始動を前に今月、福島市内で二つのイベントを開催し、県内自治体からは早くも企画依頼が寄せられている。 (上田 詔子)
同ユニオンの活動としては、@医療費削減などスポーツがもたらす経済的効果や、生活習慣病の予防・改善について研究し、県や市町村に新たなスポーツ振興システムなど具体的政策を提言するA要請に応じて地域でスポーツイベントを企画運営したり、地域や学校ヘスポーツの指導者として学生を派遣したりするB競技選手の運動機能を測定し、トレーニングシステムを構築し、トップレベルの競技者の育成を支援する−ことなどが挙げられてい
る。
発起人の同大教育学部の黒須充助教授は「スポーツ振興事業を行うことで、地域は活性化を図ることができる。同時に学生はスポーツや健康に関するデータの蓄積や研究を進めながら実践力をつけることができる。その結果、福島大の存在意義が高まる」と波及効
果を期待する。現在、運営資金は大学教員や学生の会員費、イベントなどによる事業収入、企業からの協賛金などだ。黒頴助教授は「将来的にはユニオンで卒業生二人位を専属スタッフとして雇い、業務の拡大を図りたい」と青写真を語る。
ユニオンの本格スタートに先立ち、学生たちの企画運営による二つのスポーツイベントが福島市で今月開かれた。中心商店街の一角にトラック三十台分の砂を運び込んで行われた「街なかビーチバレー」と、福島駅の駅前通りを歩行者天国にしてレクリエーションを楽しむ「わらG−1グランプリ」だ。
企画運営したのは、同大学教育学部で生涯教育課程スポーツ健康コースを専攻、「スポーツ企画特講」を受講した五人の三年生。ユニオンの始動に向け、学生が実際にアクションを起こすことが必要だった。今回は夏祭りのマンネリ化を打破して街の活性化を図りたい商店街と、スポーツマネジメントの実践を積みたい学生のニーズが一致。まずまずの成功を収めた。
イベントの実行委員長を務めた片桐正幹さんは「自分たちのアイデアがどんどん形になっていった。人・もの・金・情報をどう動かすかが難しかったけど、すごく勉強になった」と振り返る。またイベントを主催したパセオ協同組合の小関庄兵理事長は「学生の発想はすごい。地域に人を呼び戻すため今後も若い力を代して欲しい」と期待する。
学生の取り組みを知った小野町から、七百万円の予算でスポーツ事業の要請があった。黒須助教授は「ユニオンはこれから着実に実績を積むため、継続的に受託事業を受ける必要がある」と身を引き締める。
文部科学省は、国立大学を一定の予算の範囲内で独立採算を認められる独立行政法人化する方針を打ち出し、大学の個性・自主性が問われていく。まだ、助走段階だが、人・もの・金のマネジメント力が成功のカギとなりそうだ。 |
【読売新聞 2001年8月18日】
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