国立大初の試み  

国立大初の試み

国立大初の試み 具体的な事業は競技力向上へ地域支援 
福島大スポーツユニオンの初代理事長  佐藤 理さん

 福島大教育学部保健体育科の教官が中心となった「福島大スポーツユニオン」が発足しました。全国の国立大で初めての試みだそうですね。
 ◇保健体育科がこれまで蓄積してきたスポーツや健康に関する研究成果を地域に還元していくことが目的です。従来は各教官がそれぞれの立場で活動してきましたが、これからはスポーツという共通のキーワードで結集し、ユニオンを窓口として活動を展開します。

 国立大の行政独立法人化の波が押し寄せる中、これまで以上に地域に果たす貢献度がクローズアップされています。
 ◇われわれの研究は、地域に還元されることによって初めて認められる面があります。ユニオンの積極的な活動を通じて、大学の存在価値を高めるといった相乗効乗も狙っています。

 それにしても最近、福島大のスポーツ選手の活躍が目立ちます。
◇特に陸上部はカナダのエドモントンで開かれた世界陸上をはじめ、数多くの国際大会に選手を送り込み、傑出した成績を残しています。研究面でも、それぞれの教官の独創性に喜んだ研究に対する評価は高く、学生の活躍と相まって全国から注目を集めています。

 具体的にどのような事業に取り組むのですか。
 ◇まずは県や市町村などから委託を受ける形で、健康増進や競技力向上を目的とした調査、研究に取り組んでいきたいと考えています。例えば、スポーツ振興による医療費削減の経済的効果や競技者のパフォーマンスの改善を目的としたプログラムの開発などが挙げられます。

 総合型地域スポーツクラブの育成支援も大きな柱になっていますね。
 ◇総合型地域スポーツクラブの育成・定着は文部科学省が策定したスポーツ振興基本計画の重点施策で、既に県教委でも取り組んでいます。

 地域スポーツクラブが今なぜ、必要なのですか。
 ◇スポーツは小学校から大学まで、いわゆる学校を中心に行われてきましたが、卒業すると競技をやめてしまう選手が大半です。最近は少子化の影響で、一つの学校ではチームが組めないなどの問題もあり、子供からお年寄りまで生涯を通じて地域ぐるみでスポーツに親しめる環境整備が急がれているのです。

 来年度から学校の完全週五日制もスタートしますね。
 ◇休みが増える分、子供たちが休日をどのように過ごすかが課題になっています。週末の子供たちの受け皿づくりという観点からも地域スポーツクラブが果たす役割は大きいと考えています。

 どのような形でクラブを支援していくのですか。
 ◇競技力の向上には、心、技、体にわたって一貫した指導体制づくりが必要になっています。ユニオンはそのお手伝いと、さまざまなトレーニング法に関する情報を提供していく考えです。

 これからの活動を大いに期待しています。
 ◇まだ手探りの段階ですが、われわれの研究が地域に役立つよう努力していきたいと思います。

【福島民報 2001年8月17日】