硬式野球フォローアップスクール
 硬式野球フォローアップスクールでは、部活動を引退した中学校3年生に対して、硬式のボールに慣れることと、冬期のトレーニングを実施することによって、高校進学後にスムーズに硬式野球に取り組めることを目標に実施した。中学校の野球と高校進学後の野球の大きな違いはボールです。軟球から硬球へと変わることにより、ボールが重くなり硬さも増します。硬式野球へと変わったときにまず起こりやすいのが肘や肩の障害の発症です。これらはボールの重さが増すことによって起こるといわれています。投球動作による腕のしなりは肘内側側副靱帯に負担を掛けます。これにボールの重さが増すことにより、その負担はさらに大きなものとなります。トレーニングと休息のバランスがうまくとれているときには、肘内側側副靱帯に常に適度な刺激が加わっており、靱帯や骨と靱帯の付着部の強度が高まっていきます。しかし、中学校でのクラブ活動が終わってから高校入学までの時期をトレーニングすることなく過ごした場合、高校入学後の硬球によるトレーニングは、急激な負荷となり障害を引き起こします。
 

 次の野球に限らず多くのスポーツに共通して言えることですが、中学生のスポーツと高校生のスポーツとでは力強さに大きな違いがみられます。中学生期には筋力はそれほど発達しておらず基本的な動きの組み合わせで運動を行っています。動きそのものは大人と同じような動きを模倣できる中学生もたくさんいます。しかし、高校生期には筋力が向上し始めます。特に最大筋力の向上は非常に大きく、それに伴って瞬発力や敏捷性も著しく向上します。つまり高校生の運動には中学生とは異なり力強さが求められるようになります。高校入学直後に上級生の力強い、洗練された技術を目の当たりにすれば、今まで動きの模倣に関して秀でていた新入生はある程度動きを模倣することができる。しかし中学校3年生の後半よりクラブ活動を休止していたような生徒にとっては、この動きの模倣さえ非常に大きな負荷となってしまい障害につながる可能性も高くなります。
7月末から11 月初旬のグラウンドを使用できる時期においては、できる限り「硬式野球」に関わることに重きを置きました。つまり、軟式のボールから硬式のボールに変わり、その負荷がどれくらいのものかを注意しながら体感することに留意しました。最大の重要事項として?キャッチボール:一番に注意しなければならないのが、肩や肘の故障であることは、高校野球選手のケガの状況をみても明らかである。いかに肩や肘の負担を少なく、つまりスムーズな正しいフォームで投げことを主眼とした。その他、基本となるスキルである?バッドスウィング?フットワーク?走塁それに続いた基本練習であるトスバッティングまでグラウンド上で行いました。もちろん、ストレッチも含めたウォーミングアップ、クールダウンも常時行いましたが、柔軟性にかなり問題のある子どもが目立ち、毎日風呂上がりの後のストレッチを奨励してみたものの、高校進学後のケガの発生等が懸念されます。中学校の部活動でもう少し日頃からストレッチを採り入れて柔軟性を高めて欲しいと感じています。基本的なスキルに関しては、公募により集まったメンバーでもあり、ある程度の水準を満たしていると思われますが、2回行った体力テストをみるとバランスがとれていない子どもも多く、劣った体力の補強トレーニングの必要性を感じた次第です。そこで硬式野球フォローアップスクールでは、は、高校野球選手のケガの状況をみてもて、選手個人の体の動きを大きくすることと、力強い動きの元となる体幹のトレーニングを中心に体づくりをサポートするとともに、硬式野球において必要とされる技術の一端を指導しました。基本的な内容は表2のとおりです。

表2 硬式野球フォローアップスクールの内容
1.ウォーミングアップ
    ストレスセルフチェック
    ランニング
    動的ストレッチング
2.ランニングトレーニング
    ラダートレーニング
    リアクションダッシュ
    アジリティープログラム
3.コーディネーショントレーニング
4.コアトレーニング
    スタビライゼーショントレーニング
    アウフバウトレーニング
5.技術トレーニング
    バッティングドリル
    守備ドリル