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<地域で輝く学生、世界に羽ばたく学生>
中心商店街の一角にある広場に、トラックが次々と砂を運び込んでくる。トラック30台分の砂が運び込まれた後、アスファルトの広場は、縦22m×横15m×高さ50cmの「街なかビーチバレー」のコートとなった。
このイベントの企画から運営に至るまですべてを担当したのが、福島大学教育学部の学生達である。総事業費は200万円を要したが、はじめから潤沢な予算があってスタートしたわけではない。見積もりを取り、企画書を作成し、資金調達のため、市内の企業などに協力を呼びかけた。スポンサーはなかなか見つからなかったが、最後には、学生達の熱意が通じ、地元の商店街や建設会社、テレビ局が協力してくれることになった。大会当日、彼らの晴れ晴れとした表情は、教室の中では見ることができないものであった。
その一方で、世界を舞台に活躍する学生もいる。3年生の池田久美子は、世界陸上(エドモントン)の女子走り幅跳びで日本人初の決勝進出、更にユニバーシアード(北京大会)でも見事銅メダルを獲得した。また、大学院生の二瓶秀子は、100mの日本新記録を樹立した。
<スポーツユニオン構想>
「いま、地方国立大学が元気」。
地方紙のみならず、全国紙においてもしばしば「福島大学」の名前が登場するようになった。そして、こうした動きを先取りするかのように、本年1月、全国に先駆け、スポーツの持つ発信性に着目したプロジェクト、「福島大学スポーツユニオン構想」が本学の黒須充助教授(スポーツ社会学、NPO法人クラブネッツ理事長)により、提唱された。提案の骨子は以下の3点である。
1.福島大学の存在をスポーツで発信
それぞれが個々に活動するだけではなく、「スポーツ」という共通のキーワードのもと結集し、大学内外に向けて発信する拠点を作ってはどうか。
2.競争的資金を獲得する受け皿
「スポーツ」や「健康」は人々にとって身近なものであり、競争的資金を獲得する上で、有効なソフトである。県や市町村、スポーツ関係団体、学校、企業等と連携・協力して、積極的な事業を展開してはどうか。
3.地域貢献
福島大学が有する資源は、地域に還元されることによってはじめて、地域における福島大学の存在意義がある。大学の個性を伸ばし、独自性を高めていくためにも、地域とのつながりが不可欠ではないだろうか。
多くの教官がこの趣旨に賛同し、検討を開始。6月には、設立準備委員会を結成し、規約、事業計画、予算、運営方法などについて協議、7月20日、設立総会を開催し、「福島大学スポーツユニオン」が正式にスタートを切った。
<スポーツユニオンの事業>
スポーツユニオンの事業は、次の6つの柱から構成されている。
@行政、企業、社会等に対し、一定の調査研究の成果や理論に基づいた、体系的・具体的な問題提起や政策提言を行う。
A市町村などの要請に応じて地域でスポーツイベントを企画運営したり、地域のクラブや学校ヘスポーツの指導者として学生を派遣する。学生主体の組織、アシスタント・コーチャーズ・アソシエーション(ACA)を設立する。
Bプレーヤーやコーチを対象としたスポーツセミナー、また一般市民を対象とした健康講座やスポーツ教室を開催する。
Cホームページによる情報提供やメーリングリスト・メールマガジンによる情報交換を行う。
D文部科学省が策定した「スポーツ振興基本計画」の重点施策の一つである「総合型地域スポーツクラブ」の育成・定着を支援する。
E競技選手の運動能力を測定し、心技体にわたる一貫した指導体制や様々なトレーニング法に関する情報提供などトップレベルの競技者の育成を支援する。
<スポーツユニオンの組織運営>
@人材
スポーツユニオンは、運営にかかわる正会員と準会員(学生)、理念を共有する賛助会員と特別会員(協賛団体)から構成されている。一人一人の会員が、事業を遂行するために共通の目的意識を持ち、協力できるような体制を整えていきたいと考えている。特に、大学という基盤を活かし、学生が実践的な力量を身につける機会を多く設け、卒業後、一般社会においても通用するような長期的な人材育成につながることを期待している。
なお、お金の流れを明確にするため、ユニオンを大学の外の組織として位置づけ、監事には公認会計士の方と経営学を専門とする経済学部の先生にお願いした。
A場所
将来的には、卒業生1〜2名を常勤のスタッフとして雇用し、大学施設の管理・運営、近隣の地域住民や学生、教職員を対象としたスポーツサービスの提供など、新たな需要を喚起する組織を目指していく。そのためにも、独立した事務局スペースを確保することが課題である。
B財源
今後、幅広く会員を募っていくとしても、会費収入だけでは、十分な活動資金、運営資金を確保することは難しいだろう。イベントやセミナーの開催により得られる事業収入や、自治体及び企業からの委託事業収入を積極的に受け入れることが必要である。幸いにも、県内の商工会議所から全面的な支援をいただき、約千団体の特別会員を確保できる見通しとなった。また、県の医師会に対しても、現在、支援協力の依頼を行っているところである。
C情報
ユニオンは、公益性を持った団体であり、常に、会員や支援者、また事業委託を受ける自治体や企業等に対して、「説明して理解を得ることの責任(アカウンタビリティ)」を果たすことが求められる。ホームページやメーリングリスト等を通したPRと情報公開に努めたい。
<地域とのパートナーシップ>
現在のところ、ある公共スポーツ施設からは、「住民の健康増進のために行う体力測定や、それらのデータを管理するプログラムの構築」を、また、ある町の商工会からは、「夏のイベントのマンネリ化を打破し、商店街の活性化を図るためのイベント企画」といった依頼が届いている。更には、「県内の情報ネットワーク整備のためのホームページ作成」といった事業委託の要請など、早くもユニオンへの期待は多岐にわたっていると言えよう。
<今後の展望>
すでに発足以来、大学の教官のみならず、地元の教育、医療、企業などの多くの方々に、正会員となっていただいている。さらに県の枠を越えて、様々な種目のコーチや選手も、会員として情報発信の一翼を担ってくれようとしている。ネットワークという手段を得て、地方大学でも、否、地方大学だからこそできることが開けてきたのではないだろうか。
◆事務局◆
〒960-1296
福島市金谷川1番地 福島大学教育学部
川本 和久・黒須 充
Mail f-union@h3.dion.ne.jp
URL www.h3.dion.ne.jp/~f-union/
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