| 運動のガン予防効果 |
佐藤 理
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| これまで、運動の様々な効用について紹介してきました。運動習慣が、メタボリックシンドロームを中心とする生活習慣病の予防に大変有効であることは、ご承知のことと思います。 昨年11月、世界ガン研究基金とアメリカガン研究財団による「食、栄養、身体活動とガン予防」と題された研究が発表されました。1960年以降世界中で発表された膨大なガン研究から、「システマティック文献レビュー」という厳密な方法で信頼性の高い論文約7千件を選び、生活習慣とガンとの関係を検討しました。報告書は517ページにも及ぶものです(世界ガン研究基金が米国ガン研究財団のホームページから入手可能です)。この研究で、運動はガンのリスクを「確実に下げる」と評価されました。なおこの研究で新たに「確実にリスクを上げる」とされたのは肥満でした。 運動のガン予防効果についてはイギリスのガン患者支援チャリティー団体などが、ヨーロッパ10ヵ国の41万人以上を対象に行った調査でも、よく運動する人では結腸ガンを発症する確率が2割以上も低いという結果が報告されています。あわせて肥満度を示すBMI指数が25以下という健康な人では、この確率がさらに低くなるということです。 日本人についても厚生労働省の研究班が、40〜69歳の男女6万5000人を4〜7年間追跡調査して、日頃よくからだを動かす男性ほど大腸ガンになるリスクが低下することを確かめています。 それでは、ガン予防に効果がある運動はどの程度のものなのでしょうか。英国の研究では、「わざわざスポーツジムなどに通わなくても、床磨きや階段の掃除機かけ、家具の掃除など、1日に1時間、精力的に家事に取り組むことで可能」としています。米国の研究報告書では「少なくとも速歩30分間に以上に相当する運動を毎日」と提言しています。いずれも特に頑張らなくても日常生活の中に運動を取り入れていくことができそうなものですね。しかし日本人の運動実施状況は、国民健康・栄養調査(厚生労働省)によれば、「1回30分以上の運動を週2日以上実施し、1年以上継続している」人は3割前後にすぎません。 ガンは私たち日本人の死亡原因の第一位を占めています。研究結果は、運動がガンのリスクを確実に減らすという事実を示すものでした。運動によって全身の血行が良くなり新陳代謝が高まります。また、ストレスを発散してリフレッシュできます。このことによって、からだの中のガンと闘う力である自然治癒力(免疫機能)が高まると考えられます。このような運動の効用を再認識し、是非それぞれの生活の中に、それぞれにあった運動を組み込んでみてはいかがでしょうか。 |
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