バスケ戦術 発達の秘話
杉浦 弘一
 1891年12月21日、バスケットボールは誕生しました。誕生当時は13個のルールしかありませんでした。その後発展とともに様々な技術が進化し、ルールが作られていきました。今回は、その中でも技術・戦術の発達秘話を紹介します。

 【ドリブル】
 誕生当時ドリブルという概念はありませんでした。ボールはパスのみでゴールへと運ばれていました。プレーが上達してくると、ボールを持ったプレーヤーにパスをさせないようにボールを持ったプレーヤーにディフェンス(防御側)がしつこく守るようになりました。そのとき、ボールを持ったオフェンス(攻撃側)プレーヤーは、ボールを相手に取られないようにしながら自分から1〜2メートル離れた場所に投げ、それを再び捕球して進むようになりました。これがドリブルの誕生です。
 ちなみに「ドリブル(dribble)」とは「したたり落ちる」という意味で、その語源は「drip(したたる)」です。ドリブルするときのボールをしたたり落ちるしずくにたとえて命名したと考えられます。
 【スクリーン】
 バスケットボール特有のプレーの中に「スクリーン」というものがあります。これは、ボールを持っているオフェンスがドリブルで移動して攻めるとき、それを防ごうとするディフェンスの通り道に、オフェンスの味方が立って進路を邪魔するというプレーです。  これは攻撃側にとっては非常に有効なプレーで、小学生のミニバスケットボールから米国のプロリーグNBAでも利用されています。
 バスケットボールが誕生したころは、建築技術が今ほど優れておらず、体育館の中央に柱がありました。試合中、柱の近くをドリブルで移動していると、ディフェンスが柱にぶつかってうまく守ることが出来なくなりました。これをヒントにして、柱の代わりに味方がディフェンスの進行を邪魔することで有利になるスクリーンプレイが生まれました。
 【ゾーンディフェンス】
 試合中、体育館の床がガラスのように滑って、うまく止まれないような時がありました。とても一人一人を守る「マンツーマンディフェンス」ができる状況ではありませんでした。ハーフタイムにコーチがプレーヤーと話し合い、一定の範囲を守るディフェンスを行いました。これがゾーンディフェンスの始まりと考えられています。

 また別の説もあります。雨の日の試合で雨漏りがひどく、コートが濡れてしまっていました。このとき、コートの濡れていないところにディフェンスを配置して守ったことが始まりとも言われています。