鍛えて、休んで、体力アップ
川本 和久
 トレーニングは,負荷と回復で組み立てられます。ここでいう負荷とは,「量」と「強度」両方を指しています。強度を下げて量を上げても負荷はかかりますし,その逆に量を落として強度を上げても負荷はかかります。
 トレーニングの効果を説明するのに「超回復」の原則が使われます。負荷をかけると当然疲労し,負荷をかける前より身体の機能水準は下回ります。その後、休息をとれば,身体機能は回復し,その水準は上昇します。この機能水準は上昇し続けて,負荷をかける以前の水準を上回ることを超回復と呼んでいます。超回復の水準は永続的なものではなく,しばらくすると,また元の水準に戻ってしまいます。ですから,適切なトレーニングを行うためには、負荷と回復の間隔をうまく調整する必要があります。
 回復の期間が十分でないと,どんどん疲労は蓄積していき,オーバートレーニング症候群に陥ってしまいます。トレーニングをやっているけど,効果が出ずに,疲ればかり残る感じのあるときは,回復時間が短いことが原因の一つにあげられます。思い当たる人は,回復の間隔をチェックしてみてください。
 回復の期間が長すぎても,よくありません。トレーニングを自主的に休みすぎると、負荷がかかる期間が離れすぎて、身体機能が元の水準に戻ってしまうからです。「継続は力なり」です。
 では、負荷と回復の間隔が適切で、トレーニングの効果を増やすためにはどうすれば良いでしょうか。激しいトレーニングで枯渇したグリコーゲンが元の水準に回復するためには,72時間程度かかると言われています。そこから考えると,トレーニングの4日後くらいに超回復を迎えるわけです。そこで,また激しいトレーニングを行うようにします。そうするとグリコーゲン蓄積の水準が次第に上がっていくようになります。ただし、回復の間隔はトレーニング負荷の大きさによって変わってきます。
 一方,回復のための期間を毎回、確保しなければいけないかというと,そうでもありません。数回のトレーニングを回復期間なしに配列して,大きな落ち込みを作り,その後,少し長めの回復期間を確保する方法もあります。そうすると,より大きな超回復が生まれます。つまり,練習を1日1日の単位で見ることも大切ですが,3日くらいをひとまとめにしたり,1週間とか2週間をひとまとめにして,考えることも重要です。
 つまり、トレーニングは負荷だけで成立しているだけでなく,回復のための間隔が重要な役割を持っていることを認識してください。トレーニング計画を立てるときは,ついついどんな練習要素を織り込むかを考えがちですが,その負荷とともに,どう回復していくかを考えることが重要となります。