| 土踏まずと「あおり歩行」 |
佐藤 理
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| 連日の猛暑のなか、ウォーキングを続けている方も熱中症の危険がありますから、ここは自重して決して無理をなさらないで下さい。喉の渇きを覚えられる前の早めの給水が肝要です。閑話休題。暑い中ですので今回は歩行の基盤とも言える足の話をしたいと思います。 歩き方のコツを指南しているもののなかに、「かかとからつま先へ、足の裏を転がすように重心を移す」というのがありました。これは私たち人間の足の特徴をとらえた指摘といえます。私たちの足には土踏まずがあるということ、つまり縦と横方向に湾曲した足の骨組みを持っている、という特徴に基づいています。このことによって、歩くときの重心が、かかと、小指がわ、親指がわという順に移動する「あおり歩行」となるのです。ちなみに犬や猫の歩き方は、足指で支える「趾行」と呼ばれるものです。 人間は熊や猿と同じく足裏全体を地面につけて歩く「足底行」を行いますが、その中でも土踏まずを生かした「あおり歩行」をします。これは、長い進化の過程で二足直立歩行を獲得し、土踏まずという特徴を持った人間に特有のものなのです。土踏まずがあるおかげで歩く際の衝撃が吸収されるとともに、バネの役割によって推進力を高めてくれるのです。このような効率がよい歩行は獲物を求めての長い距離の移動を可能にし人類の生存に大いに寄与してきたに違いありません。 子どもの土踏まずのでき方を長年調べてきた活水女子大学の原田教授によると1970年代の前半では6歳児の75%が土踏まずが出来ていました。ところが現在では40%にまで低下しているというところです。ハイハイや歩行、群れ遊びなどの全身運動の不足が主な原因であるとしています。せっかく進化の過程で獲得してきた人間らしい特徴の一つ、土踏まずの形式が、現代の体を動かさない生活によって阻害されているようです。子育てのなかで体を大いに動かすことをもっと意識してもらう必要があります。 これから歩くときに、「あおり歩行」を意識してみましょう。最初は地面をつかむように、また、かかとからつま先に重心を移動させるように足裏に意識を集中して下さい。こうするとつま先にしっかり重心が残ります。この状態から前に踏み込んでいくと、腰が前方へ押し出され、歩幅が広がり、おしりの筋肉が引き締まります。このような歩行を意識して続けると、背筋が伸びた美しい姿勢になること請け合いです。是非ためしてみて下さい。 |
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