「スポーツに引退なし」
黒須 充
  この春も、福島大学から多くの学生達が社会人となって巣立っていきました。時折、数年前の卒業生も顔を見せてくれますが、卒業後もスポーツを続けている人は数少ないのが現状です。
その背景には、学生の間までは、時間、場所、指導者といったスポーツをするために必要な環境が整えられていたのに対し、社会人になるとそれらを自分で確保し、整えなければならないという状況があるようです。

 プロスポーツ選手であれば「現役引退」という言い方が当てはまりますが、アマチュアなのに「引退」して、十数年続けてきた競技(スポーツ)から離れてしまうのは何とももったいない話です。
 愛知県半田市の成岩(ならわ)地区では、10年前から、「学校を地域に開く」といったコンセプトに基づき、学校と地域が連携した総合型のスポーツクラブとして運営する試みがなされています。地域内の中学校や公共のスポーツ施設を利用し、地域に生活するあらゆる年齢層の人々が、自分の興味・関心に合わせてスポーツを楽しむことができるようにしたのです。一昨年には中学校の敷地内にクラブハウスも併設され、練習後にシャワーを浴びたり、ラウンジでくつろぐことができるようにもなっています。この「NPO法人ソシオ成岩スポーツクラブ」以外にも、全国各地で「総合型のスポーツクラブ」をつくる動きが活発になっています。

 もし、こうしたクラブが身近な地域にあれば、卒業後もスポーツを継続することができるとともに、指導者への道も開かれます。もちろん、トップを目指す人だけではなく、幼児から高齢者まで幅広い年代が集い、様々なスポーツを楽しむことができるため、住民の多様なニーズに対応することも可能です。
技術向上を目的としたコース以外にも、運動が苦手な子どもを対象としたコース、子育て中の母親を対象としたコース(託児所付き)、ウエストが気になる中高年を対象としたコース、高齢者を対象とした健康教室など、子どもの体力向上から高齢者の医療費削減まで現代社会が抱える問題を解決する役割も期待されています。

 もちろん、こうしたクラブには所属せずに、個人や家族で思い思いにスポーツを楽しむ人もいるでしょう。
いずれにせよ、人間は二種類のタイプに分けられると言われています。休日に「体を休めるタイプ」と「体を動かすタイプ」。さて皆さんはどちらのタイプでしょうか。

 是非、この春から新しいスポーツにチャレンジし、生活に潤いを取り入れてみてはいかがですか。