| 「子供とスポーツ」 | 黒須 充 |
| 最近の子供達を取り巻く生活環境を考えてみた場合、遊ぶ時間がない、遊ぶ空間がない、遊ぶ仲間がいないといった3つの「間」の欠如と共に、遊び方がわからないといった子供達が確実に増えているように思われる。例えば、小学生4人が「いっしょに遊ぼう」ということである家に集まったとしよう。そのあそびというのが、それぞれが持ち寄ったゲームで各々遊ぶか、好きなマンガを読むということだったそうである。つまり、子供達にとって「いっしょに遊ぼう」という言葉の中には、同じ場所にいながら、それぞれがめいめい好きなことをすることも含まれているらしく、必ずしも、みんなが一つの遊びの中で、協力したり、言い争いをしたりする中で、友達と関わって遊ぶということではないようである。もちろん、サッカーやドッジボールなど戸外での遊びも全くないわけではないが、モノの豊かな時代に生きる今の子供達にとっては、様々な年代の人と触れ合える機会、つまり、友達や地域の人と自然に関わることができる場が何よりも必要なのではないだろうか。 一昔前までは、自分の周りに住んでいる人とはお互い顔見知りで、顔の見える地域社会というのがごく当たり前のことであった。賑やかなおばさんがいたり、たまにはおじさんに怒られたりしながら、子供達も家族のような地域社会の中で育てられることによって、自然と多くのことを学んでいくことができた。しかし昨今では、こうした「向こう三軒両隣」的感覚が失われ、「隣に誰が住んでいるのかわからない」とか「近所の人と道で会っても挨拶を交わさない」という人も珍しくない状況になってきている。とても残念なことである。 こうした中、日常生活の中で身体を動かすことができる場を確保することは、心身の成長や発達の途上にある子供達にとって、何よりも優先すべき事柄である。学校以外で日常的に運動やスポーツを行う場をみると、幼児では親と一緒に遊ぶこと、小学生では放課後の友達との遊びやスポーツ少年団活動、中・高校生では部活動、それ以外では少年野球チームやサッカークラブ、道場、ダンススタジオ、そしてスイミングクラブなどが挙げられる。しかし、活発に運動遊びやスポーツを行っている子どもは一部であり、スポーツをする子としない子の二極化が進んでいるのが現状である。 すべての子供達に運動やスポーツを含む様々な体験活動を提供するためにも家庭、学校、地域社会が連携を図り、地域全体で子供を育てるという人々の意識改革が求められている。 |
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