「体格の評価と運動」
杉浦 弘一
 昨年メタボリックシンドロームという言葉が注目されました。これは内臓脂肪の蓄積によって起こる様々な疾患の総称といえます。診断基準の一つに腹囲があり、これのみが極端に注目され世間を騒がせました。肥満からメタボリックシンドロームに発展するともいわれています。
 肥満であるかを判定するには、BMI(Body mass index:体格指数)や体脂肪率を利用します。それまでは標準体重や肥満度などの指標で表されてきましたが、近年体格指数が用いられるようになりました。BMIは体重を身長(メートル)の2乗で割ることで算出します。BMIによる判定では22が最適値となっています。18.5未満が低体重、18.5以上25.0未満が普通体重、25.0以上が肥満(1度〜4度)と判定されます(日本肥満学会基準)。体脂肪率も体格を判定するのによく利用されます。軽度肥満(男性20%以上25%未満、女性30%以上35%未満)、中等度肥満(男性5%以上30%未満、女性35%以上40%未満)、重度肥満(男性30%以上、女性40%以上)と分類されています。
 近年「隠れ肥満」が注目されてきています。「隠れ肥満」とは体格は標準的(BMIは普通体重)であるにも関わらず、体脂肪率による判定が肥満である場合、隠れ肥満と呼ばれます。外観では太っているように見えなくても「見えないところに脂肪が…」なんて言っている人の多くは、隠れ肥満である可能性が高いです。これら隠れ肥満の人においても生活習慣病など肥満と同様に様々な問題点が指摘されています。隠れ肥満は脂肪が多いことよりも、筋肉量が少ないことが主たる要因です。
 健康の維持増進のための運動を考えるとき、肥満と診断された人には、有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど長い時間継続できるような運動)が推奨されます。有酸素運動は酸素を体内に十分取り込み脂肪をエネルギー源とする運動であるため、肥満の解消に効果があります。一般に健康の維持・増進のためには非常に効果的な運動であると言われています。
 しかし隠れ肥満と診断された人には、有酸素運動ばかりでなく、ウェイトトレーニングのように筋力・筋量アップが期待できる運動を実施することが必要です。筋肉を増やし張りのある体を目指してください。
 以前は20分以上続けて運動しなければ燃焼の効果がないといわれてきました。しかし最近の研究では10分ずつ細切れに時間を区切って運動をしても同等程度の効果が得られると言われています。朝晩に分けてでも体を動かすように心掛けましょう。

 男女で判定基準が異なります。男性では、20%以上25%未満が軽度肥満、25%以上30%未満が中等度肥満、30%以上が重度肥満と診断されます。女性では30%以上35%未満が軽度肥満、35%以上40%未満が中等度肥満、40%以上が重度肥満と診断されます。