「試合時間の短縮化」
小川 宏
今年8月からバドミントンの得点方式が変わりました。従来はサーブ権があるときのみ得点になり、15点先取でセット獲得だったのですが、今回のルール変更で、ラリーポイント制での21点先取となったのです。
このラリーポイント制へのルール変更は、1998年にバレーボールが行ったルール変更とほぼ同じ理由によると考えられます。一つ目の理由は、試合時間を短縮化するとともに、試合時間のばらつきを少なくして、試合進行をスムーズにすること。二つ目は、1ラリーにつき必ずどちらかに得点が入ることにより、得点方式を分かりやすくすること。そして三つ目は、サーブ権がなくても得点できることから、実力差が表れにくくなり、スリリングなゲーム展開が期待されることが挙げられます。
この3つの理由はいずれも、選手のためというよりはむしろ、観戦する側や運営する側のための改正という意味合いが大きくなっています。もちろん、試合時間が極端に長くならないようにして選手の身体的負担を減らす、という意味もありますが、バレーボールと同様、テレビ放映しやすくすることによって、より多くの人にバドミントンを見て楽しんでもらいたいという狙いがあると考えられます。
こうした試合時間の短縮化は他の種目でも見受けられます。例えば卓球では1セットの点数を従来の21点から11点に減らし、バスケットボールでは前半、後半の2つに分けていた試合時間の区切りを4分割にしました。これらの例は総試合時間の短縮ではありませんが、ゲームの区切りを小さくすることによって緊張感を保ち、白熱した展開のゲームを増やす狙いがあると言われています。
その昔、中世のフットボールは、お祭りとして村全体をフィールドにしてボールを奪い合い、丸一日を費やして試合を楽しむものでした。それが時代の流れとともに人々の時間感覚も変化し、またスポーツの高度化とともにスピード化も進んだ結果、限定された時間の中で激しく勝負を争う傾向が強くなっていきました。そして現在、TVなどのメディアがスポーツに与える影響が大きくなり、見る側、放送する側の都合によるスポーツの変革がさらに進められています。
このようなスポーツ全体の流れから見れば、今回のバドミントンのルール変更も予想された結果と言えます。ただスポーツの主役はあくまでもプレイヤーであることを忘れずに、今後のスポーツの変化を見守っていきたいですね。