| 「バレーボールの足レシーブ」 |
小川 宏 |
| 先月10月31日から、バレーボール世界選手権(通称世界バレー)が始まりました。大陸予選を勝ち抜いた男女各24チーム、計48チームが世界一を目指して熱い戦いを繰り広げています。 さて、現在のバレーボールのルールは、一昔前と違っている点がいくつかあります。例えば足でのレシーブです。一昔前まではボールを上半身部分でしか扱えなかったのですが、現在は足を含めて体のどの部分でもレシーブすることが認められています。これは、ボールを扱える範囲を広げることで、少しでもラリーが多く続き、ゲームが面白くなることを狙ったルール変更と言われています。このルール変更によって、手では難しい壁際のボールを足でレシーブしようとする場面を時々見かけるようになりました。確かに足でボールが上手く上がると会場は盛り上がります。しかしその一方で、中学校や高校では、バレーボールの授業で生徒達が面白半分に足でパスをしようとして、バレーボール本来のアンダーハンドパスやオーバーハンドパスの技術習得をおろそかにするという問題点も指摘されています。果たしてこのルール変更は、バレーボールにとって良かったのでしょうか。 およそ12年前のルール変更当時、この足でのレシーブについて、日本のバレーボール指導者242人にアンケート調査を行いました。その結果、賛成20%に対して反対47%と、反対意見が賛成の2倍以上を占めました。その理由として最も多かった意見は、「たとえ足を使ってうまく上がっても、バレーボールを粗雑に扱っているようで、いい気がしない」の56%で、過半数の指導者が回答しています。確かに一昔前は、バレーボールを足で蹴ったりするときつく叱られたものです。 おそらくこれは、日本人が物を扱う際の、手と足に対する価値観の違いが関係しています。日本では足で襖を開けるなど、物を足で扱うと叱られます。このように、「手で扱うのは丁寧、足で扱うのは粗雑」という日本人の価値観(文化性)が、従来手で扱っていたバレーボールを足で扱うということに対して、強い抵抗感を生み出していたと考えられます。 ただこのルール変更からすでに12年が経ち、サッカーも盛んになった現在では、そうした抵抗感も随分薄れてきたようです。世界バレーのTV放映でも足でのスーパーレシーブが見られるかも知れません。「絶対にボールを落とさない」という気持ちがあれば、どこで上げても人々を魅了するのかも知れませんね。 |
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