| 「プロスポーツと地域活性化」 | 黒須 充 |
| 北海道日本ハムファイターズが25年ぶりにパリーグを制覇し、日本シリーズに駒を進めました。本拠地を札幌に移転してわずか3年目の快挙です。万年Bクラスと言われた球団がなぜ大変身を遂げることができたのでしょうか。最も大きな要因は「徹底した地域との関係強化」にあったと言われています。ホームでの勝率が8割を超えたことも、地元ファンと球団が一体となった証と言えるでしょう。 また、かつては企業色が強かったプロ野球ですが、パリーグでは、北海道日本ハムファイターズのほか、福岡ソフトバンクホークス、千葉ロッテマリーンズ、東北楽天ゴールデンイーグルスなど、「地域名+企業名+ニックネーム」で構成する球団が増え、徐々に地域密着型に移行しつつあるようです。そして、こうした地域との結びつきを強めたチームが多くの観客を集め、独自のファン層の獲得・定着に成功しています。 こうした流れは、発足当初から地域密着を理念に掲げたJリーグはもちろんのこと、プロを目指す若者たちの受け皿として始まった野球の独立リーグ「四国アイランドリーグ」や日本初のプロバスケットボールリーグ「bjリーグ」といった他の種目においても拡がりを見せています。 では、プロスポーツが本拠地を構えることによって、地域には一体どのようなメリットがあるのでしょうか。 第一に、プロの試合を間近で観戦する機会が増えることによって、市民の生活文化の向上に寄与します。 第二に、地域名を冠したプロチームがメディアに取り上げられることによって、地域のブランドイメージや知名度の向上につながります。 第三に、地元のプロチームの活躍が家庭や地域での共通の話題となり、地域の一体感や連帯感が高まります。 第四に、人が動けば交通機関、宿泊関連、飲食店など様々な分野に経済的な波及効果が生まれ、雇用機会の創出・拡大などにもつながります。 第五に、交通機関や幹線道路、公園など都市計画に基づいたインフラ整備のみならず、周辺エリアのホテル、マンションなどの建設が促進されます。 第6に、プロ選手やプロチームが身近な存在として、子どもたちの目標となり、夢を育むことを通して青少年の健全育成に役立ちます。 このように、プロスポーツがあれば、地域が賑わい、潤い、活性化することも期待できるでしょう。 ただし、プロのチームができれば、「魔法の杖」のようにすべてを解決してくれるというものではありません。経済的自立を伴わなければ、いずれは衰退の道を辿ることになるでしょう。地元企業や自治体とのネットワークを強固にし、地域と共存共栄していく仕掛けづくりがポイントです。 |
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