「運動部活動」 小川 宏
 中学校や高校でのスポーツ活動と言えば運動部活動ですね。一方、体育の授業でもいろいろなスポーツを行っています。では、例えば体育授業で行うバスケットボールと、運動部活動で行うバスケットボールでは、一体何が違うのでしょうか。表面的には、授業ではバスケットボールが得意な生徒や苦手な生徒がいるので全体的なレベルとしては低くなり、一方バスケットボール部の活動はバスケットボールが好きな生徒が集まって毎日のように練習しているのでレベルが高い、すなわちレベルが違う、と言えそうです。
体育授業と運動部活動はどちらも学校で教育として行われていますが、実はその目的は根本的に異なっています。先ほどのバスケットボールを例に挙げると、体育授業ではバスケットボールを教材として生徒一人ひとりを教育していくのに対して、運動部活動では逆に、バスケットボール部の活動に、所属する生徒一人ひとりがどのように貢献するかという視点が求められます。つまり、体育授業は生徒一人ひとりが主役ですが、運動部活動はスポーツ文化(チーム)を中心とした組織的活動という違いがあります。
したがって運動部活動では、部員が一生懸命練習することによってチーム全体のレベルを向上させ、試合ではレギュラー、控え選手、マネージャーのそれぞれが責任を果たすことでチームに貢献する、という活動を通して多くの事を学んでいきます。
部員数が多い運動部では試合に出られない部員が数多くいます。彼らは試合では応援やサポートなどの脇役にまわります。全国レベルの強豪と言われる運動部には3年間ほとんど試合に出られず部活を終える部員も沢山います。でも彼らは厳しい環境で自分を磨き、部内で競争すること、上級生になるとチーム内での自分の役割を考え、雑用や下級生の指導を進んで引き受けたりすることでチームに貢献することを学んでいきます。強いチームは決してレギュラー選手だけの力で勝っているのではなく、そうした補欠選手達の支えや押し上げがあるからこそ、高いレベルを保つことが出来るのです。
運動部活動は体育授業のように、みんなが同じように活動出来るわけではありませんが、それぞれの立場からチームに貢献するという点で、レギュラーも補欠もマネージャーも同じです。みんなそのスポーツが好きで部活に入ったのでしょうから、お互いの立場を尊重し合って、チーム一丸となって充実した運動部活動生活を送ってほしいと思います。