| 「大学スポーツ新時代」 |
黒須 充 |
| 大学は施設だけではなく、人的にも知的にも多くの資源を持っています。しかし、もしそれらが大学内だけに閉ざされてしまえば、いわゆる「宝の持ち腐れ」になってしまうでしょう。「福島大学スポーツユニオン」は、こうした大学が有する有形無形の財産をスポーツや健康の分野で地域に貢献することを目的に2001年7月に設立されました。 こうした動きは、ここ数年、全国にも拡がり始め、特に大学を拠点としたスポーツクラブづくりがトレンドになっています。早稲田大学のラグビー部を中心に結成された「NPO法人ワセダクラブ」(2003年8月設立)、東京学芸大学、小金井市、FC東京(Jリーグ)が連携した「学芸大クラブ」(2004年3月)、筑波大学と自治体、地元企業が協力し、将来的には市民密着型のプロのスポーツクラブを目指す「つくばユナイテッド」(2005年3月)、横浜国立大学の施設や人材を活用し、教職員、OB・OG、学生、ならびに地域のボランティアが運営に当たっている「NPO法人YNUスポーツアカデミー」(2005年12月)、鹿屋体育大学を拠点に市民の健康づくりとエリートスポーツ養成を柱とした「NIFSスポーツクラブ」(2006年2月)、大学の中期計画に位置づけられた「愛媛大学総合型地域スポーツクラブ」(2006年4月)など、地域住民を巻き込んだ組織づくりが盛んになってきています。また、地元のプロ野球やJクラブとの連携を打ち出した千葉大学、埼玉大学、茨城大学、産能大学などユニークな事例も増えています。さらに、文科省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に採択された慶応大学、岡山大学、昭和女子大学などもスポーツによる地域貢献を積極的に展開しています。 大学全入時代を迎え、大学はいま、「淘汰」の時代を迎えています。従来の画一的な大学のイメージを払拭し、いかに個性輝く大学に変革することができるかどうか、言い換えれば、大学の存在意義(ユニバーシティ・アイデンティティ)を確立することが急務となっています。そうした中、各大学はスポーツの持つ新たな力に着目し、大学の目玉にしようという戦略がこうした動きを加速させていると言ってもいいでしょう。スポーツが人と地域社会と大学をつなぐ接着剤の役割を果たし、ひいては大学や地域社会の活性化につながっていくという好循環を作り出す、これが地域に大学が存在する意義であり、新時代の大学に求められる使命ではないでしょうか。ちなみに福島大学スポーツユニオンでは「地域で輝く学生、世界で羽ばたく学生」をスローガンに、地域と連携した事業を積極的に進めていきたいと考えています。 |
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