| 「スポーツ・ビジネス」 |
黒須 充 |
| いよいよサッカーワールドカップドイツ大会が1ヶ月後の6月9日に開幕します。既にその観戦チケットは早くから入手困難と言われ、人気の高さが伺えます。また大会期間中、延べ300億人がテレビ観戦すると言われています。 このように世界中の多くの人々の関心を集めることができる「みるスポーツ」の力は、企業にとっても大きな魅力です。今回は、そうしたスポーツが生み出す経済的価値についてお話しします。 スポーツビジネスの4大収入源と言われるのが、@入場料、A放映権料、Bスポンサー権料、C競技場内の飲食物やグッズ販売ですが、テレビの放映権料やスポンサー権料といった、いわゆる外部からの資金の流入により、スポーツビジネスは近年著しい成長を遂げるようになりました。 たとえば、今回のワールドカップの放映権は、ドイツのマーケティング会社であるインフロントスポーツが約3億ユーロ(約400億円)で落札したと報じられました。デジタル化による多チャンネルの時代を迎え、テレビとスポーツは益々緊密な関係となるでしょう。 また、選手のユニフォームやヘルメットなどに企業名や商品名のロゴが入っていることやスポーツ大会の会場に数多くの広告看板が並べられている光景を目にする機会も多くなりました。これは会場を訪れる観客だけではなく、テレビ中継をみている多くの視聴者の目に留まるように工夫されており、場所によっては億単位のお金が動いていることも珍しくありません。 もちろん、ファンや観客がいなければこうしたビジネスは成り立ちません。チケットをより多くの人に販売し、ファンで一杯になった環境を作り出すことが、その他の収入源を活性化するきっかけとなります。つまり、満員のスタジアムでの熱狂的な雰囲気は、テレビ局にとっては魅力的な番組づくりにつながり、スポンサー企業にとっては企業イメージの向上や商品の販売促進など投資に見合った宣伝効果につながります。 ただし、スポーツのビジネス化は、ビジネスとして魅力のあるスポーツと魅力のないスポーツに分かれてしまうという負の側面を持っていることも指摘しなければなりません。メディアへの露出が増えれば人気が高まり、メディアに取り上げられる回数が少ないスポーツは人気がなくなってしまいます。 いずれにせよ、景気が低迷している社会状況にあっても、莫大な経済的価値を生み出す宝庫として、スポーツに世界中の企業が熱い視線を送っています。 |
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