効用を知って継続を 佐藤 理
 前回(1月25日)は,簡単な運動でありながら奥深さを秘めている歩くことの魅力について紹介しました。正しい歩き方などにこだわらず「体との対話」をしながら「自分流の歩く」を創りましょうということでした。
 そうはいっても,健康づくりのために何か良い方法があるのではないかと気になりますね。そこで中高年者向けに多少原則的なことを紹介します。1日20〜30分程度を目標に,体調に合わせてマイペースで歩くということです。これらはとても簡単ですね。でももうひとつ最も難しいことがあります。それは継続するということです。
 県民の健康寿命を伸ばすことをめざし2001年にスタートした「健康ふくしま21計画」でも,継続的運動実施の改善を目標のひとつにしています。計画スタート時点の基準値でみると,日常的に歩くこと含めた運動を心がけている人は約4割に過ぎません。計画では最終年の2010年までに6割にすることを目標として掲げています。健康のために良いと分かっていても実際に継続することは本当に難しい事なのですね。
 継続的に運動することについての「自信の程度」を調べる方法があります。運動セルフ・エフィカシー尺度というものです。多少疲れている,あまり天気が良くないなど運動の実施を妨げる状況下での運動をする自信の程度を推し量るものです。これで大学生について調べてみました。最高に自信がある程度を100として平均約6割という結果でした。元気盛りで体を動かすことが大好きそうな若者でも運動の継続的実施は難しい課題であることを示しています。
 この運動セルフ・エフィカシーを高め,歩くことの継続に少しでもお役に立てばと二人の先人を紹介します。
 先ず古いところから,病気と戦う内なる力として自然治癒力をみいだしたギリシャの哲人・医学の祖ヒポクラテスです。思索し良いアイデアを思い浮かべるには、歩くのが効果的であると言っています。
 次いで今年生誕250周年を迎えた偉大な作曲家モーツアルトです。小さい時から父レオポルトに連れらヨーロッパ中を旅行しました。そして旅行のたびに新しい技術とスタイルを吸収し、曲づくりが発展したとされます。「歩く達人」といわれている事はあまり知られていません。旅先で歩き,色々なものを見聞きし、それがすばらしい数々の曲づくりにつながったという事は想像に難くありません。
これらは歩くことによって筋肉から脳へ刺激がたくさん送くられたり,脳への血液や酸素の供給を増すことで脳の働きが活性化され創造的な営みに結びついたということを良く表していますね。