健やかに生きるために 佐藤 理

 今年四月に発表された中高年者に関するある調査では、生活習慣病に常日頃から不安を感じている人は約七割もいるという結果でした。今や生活習慣病は人生後半の生活をおびやかし生活の質を低下させる最大の脅威といって良いでしょう。生活習慣病を予防し健やかに生きるための戦略を提供してくれる二人の人生の達人を紹介しましょう。
 一人目は、百歳を超えても現役スキーヤーとして滑り続けている三浦敬三さんです。三浦さんはスキーに巡り会って以来、「まだまだうまく滑れるようになるはず、そのため一日でも長く生き、一回でも多く滑りたい」とスキー技術の探求一筋に、何十年にもわたってトレーニングを続けている方です。肉体年齢測定では実際の年齢よりもずっと若いという結果でした。細胞の老化やガン化には活性酸素が深く関わっています。運動によっても活性酸素が発生します。しかし、運動を継続すると活性酸素を無害化する抗酸化物質をたくさん作れるようになることが分かりました。活性酸素除去能力が高まり、老化のスピードを遅らせる効果が高まると考えられています。
 二人目は、九十歳を超えても、病院理事、現役医師として、また多くの講演や社会的活動、原稿執筆にとバリバリ活躍し続けている日野原重明さんです。日野原さんは二十歳代の体重を現在も維持し続けています。命を維持するために必要な最低限のカロリーを測り、それに普段の姓活で必要なカロリーを足した一日の摂取カロリーをだして、その範囲の食事をとっているのです。成人の平均は二千Kcalですから大部少なめですね。実は老化防止法研究の中で唯一寿命を延ばすことが確かめられているのは、カロリー制限なのです。カロリー制限により、少ないブドウ糖で効率よくエネルギーを作れるようになるため活性酸素発生量が減少し、老化スピードが抑えられることが示唆されています。もちろんゆきすぎたカロリー制限は、骨粗鬆症や免疫機能低下などの弊害もありますし、適切なカロリーは人それぞれ違うことにも注意してください。
 紹介した健やかに生きる二つの戦略を要約すれば「からだを適度に動かし続ける」や「腹八分目」ということですね。これらはもう何度も耳にし常識といってもよい極めてシンプルなものですね。しかし人生の達人が自ら実践し実証している紛れもない事実なのです。これに学び実行に移し、人生の後半をいっそう健やかにすごしたいものですね。

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